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さぬき美探訪

VOL.208 2017年1月5日

筆触と身体-中西夏之を中心に

中西夏之«山頂の石蹴りNo1»1969年
 
 
 

1935年東京に生まれた中西夏之は58年東京藝術大学油画専攻卒業後、翌年«韻»と題された無数のT字形がタイヤ痕のように連なる絵画でデビューします。60年代に入ると、当時の美術界を席巻した「反芸術」に接近し、廃物を用いたオブジェを制作し、高松次郎、赤瀬川原平と結成した「ハイレッド・センター」の一員として街中で意表を突いたパフォーマンスを行うなどしましたが、60年代半ばからは再び絵画に戻り、68年には«山頂の石蹴り»連作を発表しました。以降、独自の身体感覚や思索から絵画の可能性を探求し続け、2016年に逝去しました。

写真の作品は1968年以降に10点制作された初期の代表作«山頂の石蹴り»連作のうちの1点です。「山の尖った、猫の額程の所で作業したい」という一風変わった思いに取りつかれた中西は実際にそのような特異な作業場を作り、日々そこに足を運んで、作品づくりをしたといいます。2つの三角形から作画したハート形の周りに写実的な兎や魚の図像、ヘラで絵具を伸ばして描いた扇形などをシンメトリカルに配し、謎めいた画面が生みだされています。狭い山頂で石蹴り遊びをするかのような緊張感の漂う特異な描画法、あるいは(絵画が発生する際の)場所と身体の関係性への徹底的なこだわり―それらには中西が土方巽の暗黒舞踏に参加したことの影響がうかがわれます。

このたびの展示では、当館が所蔵する絵画、デッサン、オブジェ合わせて17点により、日本の戦後前衛美術を牽引し続けた中西夏之の作品世界に迫ります。謎めいた図像が描かれる中西の絵画は一見難解に思われるかもしれませんが、異なる時期の複数の作品を見渡すと彼が追い求めたものがおぼろげながらも浮かび上がってくると思います。また、それ自体が美しいさまざまなニュアンスに富んだ筆触をご覧いただくだけでも、お楽しみいただけるはずです。

同時に展示される、李禹煥(リ・ウーファン)、岡﨑乾二郎、石田尚志らによる筆触に特徴のある絵画や映像作品の数々もお楽しみください。

高松市美術館学芸員 牧野 裕二

高松市美術館学芸員 牧野 裕二

2016年度第5期常設展
「筆触と身体-中西夏之を中心に」

【とき】 2017年1月5日(木)~3月12日(日)
【ところ】 高松市美術館常設展示室1(高松市紺屋町10-4)
【入館料】 一般200円、大学生150円、65歳以上・高校生以下無料
地図

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



讃岐を歩く

三豊市の宝山湖を歩く。青空の下、涼しい風と湖畔に咲く赤や白の彼岸花が秋の到来を感じさせる。一面に広がる鮮やかな色を前に、足を止める。どこか寂しく感じるのはなぜだろう。

photo:石井大地

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