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瀬戸標 せとしるべ

VOL.209 2017年1月19日

我が家の隣に『国境』が・・・

「このビル売ったから!」と大家さんが突然言ってきた。「誰に?」・・・思わず聞き返す。「東京の不動産屋さん」だという。今は、ネットで登記情報が確認できる。早速、新大家を確認。何と!!即日、その不動産屋さんから外国人に売られていた。

日本では、不動産投資と言えば、一般的に債券型REIT(リート)を思い浮かべる。海外の現物不動産売買(個人)はまだまだ身近ではない。ところが反対に、外国人は盛んに日本国内の土地、重要な地域の土地でさえも自由に取得している。不動産売買に関する日本のルールは、いったいどうなっているのだろうか?

日本では大正14年4月1日に外国人土地法ができ、勅令により国防上必要な地区を指定して、外国人や外国法人による土地の取得を制限していた。戦後間もなくこの勅令が廃止され、外国人に対する日本国内の土地取得の法制度が止まった状態である。日本の主権を免れるものではないが、外国人にも日本の国内の土地に関する権利、特に所有権は憲法で保護されている。

では、問題ないと思う人も多いと思うが、不動産会社の立場で見ると、話は複雑だ。土地の持ち主が外国にいて連絡がつかないなんてことになると大事だ。書類に署名押印(実印)が必要な隣地との境界確定等は難しい。相続が発生したら、日本で言う相続法、戸籍法のない国もあるから、いったい誰と話をすればいいのか分からない。隣地との境はもはや『国境』になっているのだ。

土地だけではない。今、日本ではメガバンクが、永住者限定との条件を外し、外国人向け融資の住宅ローンを販売している。そこで、東京都心の高級マンションが買われている。ビザ発給要件の緩和もあり、お隣さんとしてのお付き合いが既に始まっている。

世界共通の常識や当たり前はない。日本の慣習や行政上の細かなルールは、外国から来た人たちには理解しがたいこともあるだろう。文化の違いからトラブルになることもあるかもしれない。

今、日本では120年ぶりの民法改正に向けて少しずつ進んでいる。不要なトラブルを招かないためにも、不動産売買に関する新たな仕組みとして、決済保全制度(エスクロー)などを考える時が来ているのかもしれない。

宅地建物取引士 リアル・ピット(株) 代表取締役 金森 幹子

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香川経済界のキーパーソンがあらゆる視点から産業や文化、「いま」と「未来」などを語ります。



讃岐を歩く

出会いと別れの春。旅立つ者も見送る者も心に「寂しさ」という小さな穴が空く。不安、焦り、切なさ、孤独・・・開きかけた桜の花は心の隙間を優しく埋め、新たな一歩をそっと後押しする。

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