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さぬき美探訪

VOL.210 2017年2月2日

記憶

「TOKYO書2017」出展作品「記憶」
(縦245㎝×横580㎝)。期間中ご本人の解説も

上野公園には、西郷隆盛の銅像と動物園のほかに国立西洋美術館や東京国立博物館、上野の森美術館、国立科学博物館、さらには東京文化会館などたくさんの文化施設がある。日本の文化拠点のひとつだ。それぞれの施設が趣向を凝らした幅広い企画を一年中開催していて、特に面白い企画には長蛇の行列ができるのは周知のことである。


年明けの日曜日、久しぶりに足を運ぶ機会があった。生憎にも朝から雨が降っていたが、公園の中はお目当ての美術館を目指して歩く人の波ができていた。今回の目的は、その中のひとつ、東京都美術館で開催中の「TOKYO書2017」展を見に行くことだった。この美術館は「公募展発祥の地」ともいわれ、開館以来90年、数多くの公募団体展を開催してきた。そんな歴史の中で、今回は館が主催した展覧会である。関東に拠点を置く18の書の団体から実力を認められ選抜された作家を紹介する企画展だ。

その中のひとつ、上田桑鳩(うえだ そうきゅう)が設立した前衛書の会派「奎星会(けいせいかい)」から選ばれたのは、高松市牟礼町在住の塩田桜華(おうか)さんである。60点あまりの展示作品の中で異彩を放つ1点であった。書とは墨を使い筆で和紙に書くものだと思っていたので、この作品がどのように書かれたのかがまるで解らないという意味でも特異な作品といえる。直感的に「いい!好きだ」と思った。そして作者がこの「記憶」を表現するに至った背景にはどのような体験があったのかと思考する深遠なる時間を費やした。多くの作家の中から名誉ある出展者に選ばれたのが6年前のことだったと聞く。その間に東北の震災があり世の中の価値観が大きく変わって来たことを感じる今、この作品は「書」という概念を超えて、観る者の感覚に直に届くメッセージなのだろう。難しい解釈は止めて単純に、地元の作家がこのように素晴らしい場で活躍することは、地方にいる作家を勇気づけるものだと感心した。

帰り道、お昼時を過ぎたので東京文化会館の中にあるレストランに立ち寄りランチをした。向かいに建つ国立西洋美術館がル・コルビュジエの設計で世界文化遺産になったが、前川國男設計のこの東京文化会館も引けをとらない風格のある建物だと思う。中2階のレストランからメインホール入り口を覗くと、中央部に流政之の彫刻「サキモリ」が威風堂々と立っていた。30年ほど前にスタッフの一人として設置に携わった「記憶」が懐かしく甦った。伝説となっている建設当時の逸話は、機会あるときにまたご紹介したい。

桜製作所 社長 永見 宏介

桜製作所 社長 永見 宏介

桜華書道会
塩田桜華さんが主宰する書道会。子どもから大人まで約150人が在籍する
9月17日(日)~24日(日)に玉藻公園披雲閣(高松市玉藻町2-1)で10周年記念作品展を開催。「TOKYO書2017」に出展した作品をはじめ、会員の漢字作品、詩文なども展示

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



讃岐を歩く

まんのう町塩入を歩く。甘柿であろうと渋柿であろうとも、柿色は目に鮮やかだ。二十四節気の「大雪」を迎え、そろそろ柿の季節も終わる。

Photo:T.Nakamura

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