当サイトにおける全てのコンテンツの無断複写・転載等を禁じます。

ビジネス香川 -「いま」を伝え、「未来」を育てる-

文字サイズ
標準
拡大

ビジネス香川 ここにもあります 高松空港ANA・JAL便搭乗口、ことでん高松築港・片原町・瓦町・栗林公園・仏生山駅、高松市民病院、高松市図書館、香川県立ミュージアム・東山魁夷せとうち美術館、栗林庵、瓦町FLAG、高松市内のセブン-イレブン・ファミリーマート、JR四国バス ほか

  • プライムパーソン
  • Next開拓魂
  • It's me!それは私です
  • BK NEWS
  • さぬき美探訪
  • さぬき味探訪
  • 動向リサーチ
  • 瀬戸標(せとしるべ)
  • かがわのエンジン
  • 承継学のススメ
  • 特・選・本
  • 特・選・話
  • 本日、旅日和

さぬき美探訪

VOL.222 2017年8月3日

香川県庁東館陶画《和敬清寂》1958年 猪熊弦一郎
撮影:高橋章
 
 

パブリックアートとは、公共空間に設置された芸術作品のことをいいます。例えば、JR高松駅の改札を出るとすぐ目の前に大きなオブジェ(立体造形物)が現れますが、これは流政之さんの作品「DAITEMMAI」で、パブリックアートの一つです。そういわれると、いつも通る道や公園に彫刻があるな、なんて考えた方もいるのではないでしょうか。このように、パブリックアートは、美術館やギャラリーといった展示のための場所ではなく、私たちの普段の暮らしの中で見ることができるアートです。

猪熊弦一郎(1902~93)も、芸術は限られた人が独占するものではなく、大衆に開かれているべきだという思いのもと、壁画やオブジェ、緞(どん)帳など多くのパブリックアートを手がけています。建築家と協働して壁画を手がけるようになったのは1949年、戦後まもなくのことでした。戦争で傷ついた世の中や人々の心を、自身の創り出すものによって美しく彩り、癒やしたいという気持ちがあったことは想像に難くありません。猪熊が1950年にデザインし、現在まで使われている三越百貨店の包装紙「華ひらく」もそういった考えに沿うものといえるでしょう。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館壁画
《創造の広場》1991年 猪熊弦一郎
撮影:高橋章

猪熊のパブリックアートのうち、香川で最も知られているのは、県庁東館1階ロビーの陶壁画でしょうか。タイトルの《和敬清寂(わけいせいじゃく)》は、茶道の精神を表す抽象的な言葉です。中央のエレベーターと階段を囲む四面の壁それぞれが一つの漢字を表現していて、赤、青、黒、白の四色のタイルを使って、丸と、紙を切って作ったような不可思議な形が組み合わされた絵柄となっています。残念ながら原画は所在不明ですが、試作が当美術館に残されており、それはやはりいろんな形に厚紙を切って、台紙に貼り付けたものでした。猪熊は1955年にニューヨークに移住し、それまでの具象画とは全く異なる抽象画を描くようになります。この壁画は1958年作で、ニューヨークで考えられたものであり、猪熊の新しい画風を初めて日本で発表する機会ともなりました。

ほかに、香川県内で見られる猪熊のパブリックアートに、レクザムホールの壁画や緞帳があります。また、JR丸亀駅を出るとすぐ目に入る当館の大壁画やオブジェも、パブリックアートです。気をつけてみると実はいろんなところで目にするパブリックアート。時には足を止めて眺めてみてはいかがでしょうか。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
学芸員 古野 華奈子

開催中の企画展「志賀理江子 ブラインドデート」
同時開催常設展「猪熊弦一郎展 ふしぎな形」

【とき】 9月3日(日)まで ※会期中無休
【ところ】 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(丸亀市浜町80-1)
【観覧料】 一般950円、大学生650円(同時開催常設展料金を含む)
高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上
各種障害者手帳をお持ちの方は無料
地図

広告掲載はこちらをクリック!

さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



讃岐を歩く

三豊市の宝山湖を歩く。青空の下、涼しい風と湖畔に咲く赤や白の彼岸花が秋の到来を感じさせる。一面に広がる鮮やかな色を前に、足を止める。どこか寂しく感じるのはなぜだろう。

photo:石井大地

讃岐を歩くの一覧はこちら

ページの先頭へ移動