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さぬき美探訪

VOL.224 2017年9月7日

鏑木清方《遊女》大正7年
横浜美術館蔵
 

近代日本画の中でも特に人気のあるジャンルである「美人画」。鏑木清方(かぶらき きよかた 明治11年~昭和47年)は、明治から昭和にかけて活躍し、美人画に独自の画境を切り拓いた画家としても今もなお多くの人に親しまれています。

清方の作品には、妻や娘といった身近な人をモデルにしたもの、文学や演劇などの物語の登場人物を描いたものなど、魅力的な作品ばかりです。ジャンルとしては同じ「美人画」でも、時期や描く内容によって作風は少しずつ変わっていきます。今回は、その違いを感じることのできる作品を紹介し、清方の美人画の魅力に迫っていきたいと思います。

鏑木清方《暮れゆく沼》明治33年
鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵

まず紹介するのは、初期の作品の《暮れゆく沼》(明治33年制作)です。夕暮れ時に、草むらに座って横笛を吹く少女を、松の木の向こうに見える沼を背景に描いています。本作は、風景をそのまま切り取ったように写実的に描こうとしていることがわかります。遠近法を使い当時流行していた自然主義的な作風を清方も参考にしていたといいます。

続いて、大正7年制作の《遊女》。本作に描かれたのは、泉鏡花作の小説『通夜物語』の主人公、遊女の丁山。この頃の清方は、江戸時代の浮世絵師、鈴木春信の美人画を学んでいたこともあり、肩や首が華奢でほっそりとした女性を多く描いています。無地の二曲屏風に丁山と彼女の着物が大胆に配されていて、実際の情景を描くというよりも、装飾的に構図を取っており、《暮れゆく沼》とは、描き方が変わっていることがわかるでしょう。

鏑木清方《朝涼》大正14年
鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵

最後に紹介するのは、《朝涼》(大正14年制作)です。早朝の畔を歩く女性を寒色の淡い色遣いで爽やかに描いています。まだ日が明けきっておらず、月が残っている時分に散歩をする清方の長女をモデルにしました。

背景に畔に咲く花や繁る植物を青みがかった緑を基調に描くことで、中心の人物が際立っています。実際の風景を描いた作品ではありますが、《暮れゆく沼》のような自然主義的な描き方とは違い、中心の人物が際立つように理想化された画面となっています。一方で、《遊女》のように女性を形式化せず、生き生きとした人物として描いていることがわかります。

一口に清方の美人画と言ってもこのように時代や描く内容によって様々です。清方の初期から晩年の作品までを回顧する展覧会「没後45年鏑木清方展」を、高松市美術館で開催しています。ぜひ展示室にお越しになって、お気に入りの一点を探してみてください。

高松市美術館
学芸員 石田 智子

没後45年 鏑木清方展

【とき】 9月9日(土)~10月15日(日)
月曜休館(9月18日・10月9日は開館、
9月19日・10月10日休館)
【ところ】 高松市美術館(高松市紺屋町10-4)
【入館料】 一般1000円、大学生500円、高校生以下無料
【地図】

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さぬき美探訪とは

美術館や博物館の学芸員と野菜ソムリエが香川が誇る「美」と「味」をご紹介します。



讃岐を歩く

10月になるとコスモスが一面に広がる、フラワーパークうらしま。今は蕾が多いが、開いた赤やピンクの花は秋風に揺られて可愛らしい。ミツバチも嬉しそうに羽を振るわす。

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