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プライムパーソン

VOL.230 2017年12月7日

三和電業の研究開発用メガソーラー発電所=高松市国分寺町

大塚製薬、日亜化学工業といった大手企業から中堅企業の工場や研究所など、香川・徳島を中心に全国さらには中国まで、あらゆる施設の電気設備や空調設備を手掛けているのが高松市の三和電業だ。電力会社の傘下にない独立系電気設備工事会社としては、長年四国トップシェアを独走している。「元々は電気工事の職人集団でした。でも、このままだと近い将来、会社がつぶれるという危機感が常にありました」

座右の銘「気づきが増え続ける人生を」の書が
掲げられた社長室=高松市太田下町の三和電業本社

2代目社長、山地真人さん(69)は、副社長だった1980年代に工場の自動化設備を扱う三和プラントエンジニアリング、設備メンテナンスが専門の三和メンテナンスを設立。さらに社長を引き継いだのちの99年には、製薬会社などの特殊な空調設備に特化した三和空調を立ち上げた。このグループ化が三和電業の強力な武器となった。「目指したのは、職人集団から『マルチエンジニア集団』への脱皮です。電気工事に加え、『特殊空調も自動制御もできる』となれば、技術範囲も社員の視野もグッと広がります」

さらに今、社員に求めているのが「経営的なセンス」だ。「技術面以外にも、お客さんのかゆいところに手が届くような打ち合わせや、広い視野での資材発注など、我が社は若手社員にも中小企業の経営者がやることのほとんどを任せています」。時にはお客さんに叱られることも、下請け業者にお尻を叩かれることもある。だが、そのハードルを越えることで真のプロフェッショナルになれる。それが山地さんの信念だ。「AI(人工知能)の発達で、今後はロボットに仕事を奪われるかもしれない。でもプロになれば、逆にそういった機械を操る側に回れます」

女性エンジニアも様々な現場で活躍=徳島県

山地さんは、経営センスを得たマルチエンジニアを希少価値のある「宝石のようなエンジニア」と表現する。「技術だけのプロでは将来、飯が食えなくなる。だが、技術者が経営センスを磨いていけば宝石のように光り輝き、どこまでも上昇できるプロになれる」と力を込める。

三和電業の社長室には「気づきが増え続ける人生を」と書かれた山地さん直筆の書がある。「人生の師と仰ぐ稲盛和夫さんの教えに『人は生まれた時より少しでも魂が磨かれ成長して死んでいくんだ』というのがある。それは人生で『どれだけ気づきを得たか』だと思うんです」

営業所長だった40年余り前、主要取引先の大塚製薬にとても厳しい資材部長がいた。大幅な値引きを求められ、技術力やサービスをいくら訴えても聞いてもらえない。「私では歯が立たない。この部長がいる限りダメだ・・・・・・」。思い悩んだ山地さんは、部長が愛読していた日本経済新聞を隅々まで読むことにした。すると、「部長の鋭い質問に答えられるようになったんです。技術バカだった私でも経済が見えるようになった。最初はいじめかとも思いましたが実はその逆で、部長は“恩人”でした」

1973年7月、その日経新聞である記事を見つけた。『某石油工場で爆発事故。日本の製油能力が下がり、石油暴騰の可能性がある』。「オイルショックの予兆のような記事で、“気づき”が起きました」。電線類がかなり値上がりする。そう踏んだ山地さんは電線や関連機器を大量発注。10月、オイルショックが世界を襲った。「電線価格はみるみる高騰。ピーク時には6倍にもなり、高騰分の多くを大塚グループ様に還元し、我が社と絆が深まりました」。経済と気づきの大切さを教えてくれた資材部長には感謝してもしきれないと振り返る。

三和電業は1948年、戦災で焼けたモーターやラジオを修理する町の電気工事屋さんとしてスタートを切った。創業者の父・十三男(とみお)さんは、「お客さんに対する『誠心誠意』が秀でていて、石橋を叩いて叩いて、それでも渡らない人」だった。「でも、関連会社をつくりたいと相談した時、『やってみたらどうや』と背中を押してくれ、この30年間で6社を設立。慎重な父がよく私に任せてくれたなと思います」

1990年、41歳で社長になり28年。山地さんは来年、父から受け取ったバトンを、長男で副社長の一慶(かづよし)さん(38)に託す。「長男は私と違って、親父タイプの慎重派です」。三世代でうまくバランスが取れていると笑う。「私の真似をしても仕方ない。長男には信じる道を思い切って進んでいってほしいです」

最近、建設業界を志す若者が減っていることを憂う。「きついというイメージがあるが、暮らしの安心安全を守り、“国家を支えるプロを育てる”とても魅力のある業界です。今後は女性の進出も大いに期待できます」

中国三和グループ。
日系企業の約120工場の設備メンテナンスを担う拠点
=中国・蘇州市

立ち上げた会社が多額の借金を抱えたり、2001年に進出した中国での事業がなかなか軌道に乗らなかったりと、血尿が出るほど追い込まれたこともある。しかし、「技術力と“気づき”、そして、父から受け継いだ誠心誠意の精神で、今では高技術・高収益体質の企業グループに育てることができた」と胸を張る。「人をプロにする一番の王道が建設・設備工事業界だと確信している。宝石のようなエンジニアをこれからもどんどん磨いていきます」

篠原 正樹

  • 1948年 高松市生まれ
  • 1969年 高松工業高等専門学校
    (現香川高専)電気工学科 卒業
    大手電気設備会社を経て
  • 1971年 三和電業 入社
    徳島営業所長
  • 1981年 取締役副社長
  • 1983年 三和プラントエンジニアリング 設立
    代表取締役社長
    三和メンテナンス(現三和エコ&エナジー)設立
    代表取締役社長
  • 1990年 三和電業 代表取締役社長
  • 1999年 三和空調 設立 代表取締役社長
  • 2001年以降、中国・蘇州市に現地法人を順次3社設立

所在地
高松市太田下町2580番地3
TEL.087・865・8585/FAX.087・866・9210
創業 1948年4月
設立 1953年12月
営業種目 電気設備・計装設備・給排水衛生設備
空調設備・冷凍設備・電気通信工事 他
事業所 高松支店、徳島支店、東京支店、関西支店、北島支店、福岡営業所、郡山営業所 他
関連会社 三和プラントエンジニアリング株式会社
三和エコ&エナジー株式会社
三和空調株式会社
三和科技(蘇州)有限公司(中国)他
地図
URL http://www.sanwanet.co.jp/

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讃岐を歩く

まんのう町塩入を歩く。甘柿であろうと渋柿であろうとも、柿色は目に鮮やかだ。二十四節気の「大雪」を迎え、そろそろ柿の季節も終わる。

Photo:T.Nakamura

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